住まいのエネルギーを合理化

省エネルギーを目的に合理的な断熱方法と冷暖房の工夫を提案します。部屋ごとの温度差が少なくなれば、ヒートショックなどの事故を未然に防いで快適な生活をおくることができるのです。また太陽熱を利用したパッシブソーラーシステムも省エネルギーに貢献しています。
夏と冬の住宅温熱環境について、パッシブソーラーについて基本的な内容を以下の通りまとめました。さらに詳しくは、Q&Aまたはコラムでお知らせします。

(1)夏・冬ともにエアコン一台ですごす

断熱性能を一定以上高めるのを標準仕様としていますが、その前提で建物内部の空気の流れを上手く計画すると、夏も冬もエアコン一台で快適に過ごすことが可能となります※。
エアコンを前提とした理由は、現在エネルギー効率が最も良いといわれ、省エネであるからです。そして高い断熱性能により熱が逃げず、天井・壁・床の表面温度が高い(低い)事で人は快適に感じられるのです※※。もちろん気持ちの良い季節には窓を開けてすごせるよう、通風計画も考慮します。
※感じ方には個人差があります
※※体感温度 ≒(室温 + 天井・壁・床の表面温度)÷ 2 となります

1階床下に設けたエアコンより床下に温風を吹き出します。温風は床に設けられたガラリより立ち上がります。シーリングファンによりさらに空気を引き上げて家中にまんべんなく空気を循環させる方法。冬は室温が20度程度であれば快適にすごせるでしょう。(個人差はエアコンの温度設定で調整します)

ロフトまたは2階天井裏に設けたエアコンから冷風を2階天井裏に吹き出します。冷風は天井のスリットやガラリより部屋の中にゆっくり降りてきます。また吹き抜けのシーリングファンにより、引き下ろされた冷風は吹き抜けから1階に廻るよう計画します。夏は室温が26〜28度であれば快適にすごせるでしょう。(個人差はエアコンの温度設定で調整します)

(2)パッシブソーラーの利用(弊所では「そよかぜ」を採用)

冬の補助熱源として、パッシブソーラーを採用する方法。屋根で加熱された空気を取り込み、1階床下に送ります。以降は冬のエアコンと同じ原理。太陽のエネルギーを直接利用する単純なローテクノロジーで、ファンを回すだけの電力でまかないます。
夏の夜間も屋根面で空気が放射冷却されるため同様に取り込み、床下より涼風が立ち上がり、緩やかな冷房効果が期待できます。なるべくエアコンを使いたくない場合や、防犯のために1階を戸締まりしている場合も通風と同様の効果が期待できるのです。