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下田町のソーラーハウス

下田町の家

構造・規模 :木造2階建て+ロフト 工事単価には設計監理料、外構工事費用、カーテンブラインド、登記費用、印紙代は含まれません
竣工年月日 :2011年3月
土地面積 :101.65平米(30.75坪)
延床面積 :99.27平米(30.03坪)+ ロフト24.2平米(7.87坪)
工事単価 :67.5万円/坪※(ロフトおよび車庫面積合計X0.5として加算)

太陽のエネルギーをそのまま利用するパッシブソーラーハウス

太陽光発電の場合は太陽エネルギー(光)を電気に変換するのでアクティブソーラーに分類されますが、この家の場合は太陽エネルギー(熱)をそのまま利用するためパッシブソーラーに分類されます。このシステムをオープンシステム(分離発注)で実現しました。
図面を公開しています。→ こちらから

外壁はガルバリウム鋼板+板張り
外壁の選択肢は様々ですが、ほとんどの壁にガルバリウム鋼板を、防火規制がかからない部分を板張りにしています。道路からはフラットルーフに見えますが、パッシブソーラーのために一部は勾配屋根となっています。



パッシブソーラーシステムの基本的仕組み
下の断面図は冬の日中にソーラーシステムがどのように働くかを表現しています。
屋根の軒先から取り入れられた外気は南面の屋根(ガルバリウム鋼板葺き)で加熱され、集められます。そこからダクトを通って床下に送られ基礎に蓄熱する仕組みです。蓄積された熱は日が落ちた後室内に放出されます。日中もっとも良い条件の時で、床下に送られる空気温度の目安は、外気温度+35度 となります。
夜間や天気の悪い日は空気が建物内で循環します。補助暖房(ここでは床暖房・場合によりエアコン)がその場合に働きます。
セルロースファイバーによりしっかりと断熱されているため、一度暖まった建物と内部の空気は循環するだけでも十分効果が発揮されます。


狭い敷地を有効に
約30坪の敷地を有効に利用する為には、間取りに工夫が必要です。ここでは1階から廊下を無くしたことの他に、なるべく広く使えるような工夫を施しました。オープンなキッチンはリビングダイニングと一体であるため、家族と会話をしながら、テレビを見ながら作業することが出来るようになっています。リビングダイニングから連続するテラスは洗面所からも出入り可能で、物干しにも便利な屋外空間です。


オープンなキッチンのつくりかた
ガスコンロの前もオープンに!そのためグリーンハイキを採用しました。透明ガラス製のフードが目の前にあるために視界は遮られません。
オープンキッチンで問題になるのは、電子レンジや炊飯器などの電化製品類が目立ってしまうこと。ここでは半透明のポリカーボ引き戸で隠しました。食器戸棚兼用でシルエットがおぼろげに見えても全く気になりません。

オープンキッチンのカウンター
オープンキッチンのカウンターは全くフラットにする場合と、この事例のように一部立ち上げて手元を見えにくくする場合があります。立ち上がりをつくる場合は、その部分を利用してコンセントを設けることが可能となります。カウンター材質はバイブレーション仕上げのステンレス。多少傷が付いても大丈夫です。

2階の廊下部分は家族の書斎
1階同様、「廊下」部分を無くしました。本来2階廊下となる部分をあえて広めに取り、家族みんなで使える書斎にしました。天井が高くロフトと繋がった空間です。パッシブソーラーハウスの特徴は、1階のリビングルームから空間的に連続していることで、1階から隅々まで声が届きます。


玄関と2階のつながり
パッシブソーラーシステムを採用する場合は吹き抜けでいろいろな空間をつなげるのが基本です。書斎の突き当たりは玄関と吹き抜けでつながっており、フィックス窓から玄関に光が落ちるように工夫しました。奥に見えるのはタタミが敷かれたゲストルーム。

ゲストルームの工夫
4.5帖の部屋の置くに窓障子を設け引き込む壁に小さな梅柄の和紙を貼りました。その前の板の間はちょっとした床の間となることを期待しています。

トイレ空間は明るく楽しく!
トイレは家の中では陽当たりの良くない隅の方に追いやられる場合が多いのですが、ここでは南側で明るい位置に設けました。せっかくなので部屋も広く2帖分確保しています。施主が高齢になる頃にも使い勝手が良いことを願って。

洗面脱衣室は合理的な乾燥室に
洗濯機のあるところから物干し場までの動線と合理性、そして雨天の洗濯物干しをどうするかは永遠のテーマ。この住宅ではリビングダイニングから続くテラスを洗面脱衣室と共有して動線を合理的にすること、洗面脱衣室を出来る限り広めにとり、壁掛タイプの除湿器を設けることで問題を解決しています。→平面図ご覧下さい
洗面台はカウンターに埋め込むタイプでLEDを間接照明に採用しています。

パッシブソーラーハウスは見学可能です。ご希望の方はあらかじめお申し込み下さい
電話 044-753-0273 または メール みさき建築研究所まで
サイトからは → こちら