安全と生活スタイルを合理化

大地震に耐える構造は、間取りに左右されず費用も合理的につくりあげます。
そして間取りは生活のストレスを少なくする合理的な内容を提案して行きます。

(1) 一つ上の地震対策

標準的な地震対策として以下の方法を採用しています。
・構造計算(許容応力度計算)による安全性の確認
・耐震等級2(※)以上となる構造計画
耐震等級3(※※)の検討も可能ですが、間取りに制限が出てしまうことがあります。そのため耐震等級2の構造に制震ダンパーを追加し、実質上等級が1段階上がる工夫をしています。さらに上下階の構造耐力壁のバランスがとれるよう無理のない計画を進めて行きます。
現場では、上記の仕様が設計通り施工されているのか、しっかり監理することも重要です。

耐震ダンパーを追加した事例。耐震等級3にするには壁が多くなり使い勝手上支障が出たためTRCダンパーという制震器具を一部の筋交いの代わりに追加し、計算で安全性を確かめています。
※建築基準法の耐震性能の1.25倍
※※ 建築基準法の耐震性能の1.5倍

(2) 合理的な生活動線計画

日常生活でストレスをなるべく小さくするには、家事動線を使い勝手よく合理的に計画する事が重要で、特別な装置はなるべく設けないローテクな方法を心がけています。例えば、浴室-洗面脱衣-物干し場-取り入れの流れや、ガレージからキッチンまでの荷物搬入、ゴミ置き場の位置等、打ち合わせを重ねて行きます。個人差により正解はありません。使い勝手を十分打ち合わせながら進めて行かなければならないと考えています。

(3) 収納にメリハリを

「使う収納」と「仕舞う収納」を区別してレイアウトします。使う収納とはクローゼットやシューズボックス、食品庫などほぼ毎日活用するスペース。仕舞う収納とは、扇風機や暖房機具、キャンプ用品など季節ごとに使用する物を収納するためのスペースで、ロフトやインナーガレージの余剰空間を活用します。
新築やリノベーションは生活スタイルや収納について見直す良い機会です。なるべく無駄を省き将来に備えて合理的な方法を考えてみましょう。

敷地と道路に多少高低差がある場合、インナーガレージの上に収納庫を設けル場合があります。屋根裏収納(ロフト)同様天井高さを1.4m以下※にすれば床面積対象とならないため、仕舞う収納として有効利用出来るでしょう。
使う収納は必要に応じて細かく設ける他、寝室内などのクローゼットとして計画します。
※天井高さ以外にも制約があります